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☆栄養士が知るパスタのポテンシャル。「高カロリー」を「完全食」に変える戦略☆

こんにちは、Person’s株式会社です♪

パスタは多くの方に愛されるメニューですが、「高カロリーで炭水化物に偏る」
というイメージがつきまといがちです。しかし、栄養士の視点から見ると、
パスタはGI値が低く、ソースや具材で栄養バランスを自在に調整できる非常に優秀な献立のキャンバスです。
このポテンシャルを最大限に引き出す戦略を解説します。


1. パスタの栄養学的「誤解」と真実

パスタが持つネガティブなイメージは、主にソースや具材に起因します。

パスタ麺自体の特性を正しく理解しましょう。

パスタは「低GI食品」である

パスタ(デュラム小麦のセモリナ)は、同じ小麦製品である食パンや白米と比較して、
血糖値の上昇を示すGI値が低いことが知られています。これは、小麦の粒子が粗く、
麺が密に固められているため、消化吸収に時間がかかるためです。

・栄養士の活用戦略: 糖尿病の食事指導や、血糖値コントロールが必要な献立に
 パスタを導入する際は、この低GI特性を根拠に**「主食の代替選択肢」**として提案できます。

② GI値をさらにコントロールする調理法

さらにパスタのGI値を下げるには、以下の要素が有効です。

・茹で方(アルデンテ): 麺を硬めに茹でる(アルデンテ)ことで、消化がよりゆっくりになり、
 GI値がさらに低下します。

・冷製パスタ: 冷やすことでデンプンが**レジスタントスターチ(難消化性デンプン)**
 に変化し、食物繊維と同様の働きをすることで、GI値のコントロールに役立ちます。

・全粒粉パスタの活用: 全粒粉(ふすまを含む)を使用することで、食物繊維、ビタミンB群、
 ミネラルが大幅に増加し、GI値もさらに下がります。

2. パスタを「完全食」に近づける献立戦略

パスタ料理を単なる炭水化物(C)料理で終わらせず、タンパク質(P)と脂質(F)
を加えた理想的なPFCバランスに近づけることが、栄養士の腕の見せ所です。

タンパク質(P)の効率的な強化

ソースや具材で、パスタ1食あたりに必要なタンパク質(約20g程度)を確保します。

動物性タンパク質: 鶏むね肉やエビ・イカなどの魚介類は、脂質を抑えつつ良質なタンパク質を補給できます。  特に魚介類は、EPAやDHAといった機能性脂質も同時に摂取できるメリットがあります。

植物性タンパク質: 大豆ミートの活用や、レンズ豆、ひよこ豆などの豆類を加えたり、
ソースのベースに豆乳や豆腐を使うことで、食物繊維も同時に増強できます。

低脂質なソースとビタミン・ミネラルの補給

高カロリーになりがちなクリームやチーズの使用量を抑えることが重要です。

オイルベースのコントロール: オイルパスタは、オリーブオイルを風味づけ程度に抑え、玉ねぎ、
ニンニク、きのこ類、トマトなど、低カロリーで抗酸化作用のある野菜を具材の中心にします。

付け合わせの戦略: 付け合わせに、緑黄色野菜を豊富に使ったシンプルなサラダやマリネを添える
ことで、パスタで不足しがちなビタミンCや食物繊維を補完し、献立全体の栄養価を高めます。


3. 集団給食でのパスタ導入と調理の課題

パスタは嗜好性が高く、喫食率アップに貢献しますが、大量調理特有の課題があります。

大量調理における「麺の伸び」対策

集団給食において、麺類最大の課題は「喫食時の伸び」です。パスタは特にデンプン質が多いため、
麺同士がくっつき、団子状になりやすい性質があります。

・時間差調理の徹底: 提供時間に合わせて、麺の茹で上げ時間を厳密にコントロールします。

オイルコーティング: 茹で上げた麺に少量のオリーブオイルを和えることで、デンプン質の糊化を防ぎ、
麺同士の付着を防止します。ただし、オイルの量が多くなりすぎないよう、正確な計量が必要です。

ソースと麺の分離提供: 和えずにソースと麺を別々に提供することで、麺が伸びる時間を最小限に抑えます。

治療食・嚥下調整食への応用

嚥下調整食: パスタは、麺の形状が長く、まとまりにくいため、刻み食やミキサー食への展開には注意が必要です。専用の**「米粉パスタ」**を利用するか、麺を短くカットし、トロミ材で粘度を調整して誤嚥リスクを下げる工夫が必要です。

腎臓病食: 腎臓病食においては、パスタ麺はリンやカリウムが比較的低いため、
主食の選択肢の一つとして活用しやすいという利点があります。

4. 献立展開とコストコントロール

パスタは麺の種類やソースのバリエーションが豊富であり、献立のマンネリ化を防ぐのに適しています。

乾麺の多様性: スパゲッティだけでなく、ペンネやマカロニ、ラザニアなど、
形状を変えるだけで献立に変化が生まれます。
特に、マカロニはミートソースやグラタンなど、他の具材と馴染ませやすく、
高齢者の咀嚼しやすいメニューにも展開しやすいです。

ソースの低コスト化: 缶詰のホールトマトやトマトピューレをベースに、ひき肉や野菜を煮込むミートソースや、 旬の安い野菜をシンプルにオイルで和えるソースは、コストパフォーマンスに優れています。

出汁の活用: 和風パスタとして、醤油ベースに出汁やキノコ、和風食材(大根おろし、梅など)を活用することで、塩分を抑えつつ深い風味を出すことができます。


5. まとめ:パスタは万能な「栄養展開のキャンバス」

パスタは、使い方次第で高カロリーなジャンクフードにも、栄養バランスの取れたヘルシーな一皿にもなります。  栄養士の役割は、この万能なパスタという「キャンバス」の上に、低GI、高タンパク、低脂質、高ビタミンという栄養戦略の「色」を正確に配置し、美味しく、安全で、喫食者に価値のある一皿を完成させることです。
パスタの特性を理解し、献立に積極的に活かしていきましょう。


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